ファンシーラットは、目の周りや鼻の周りに赤い液体や、血が乾燥したカサブタのようなものがこびりついていることがあります。
これはポルフィリンといい、血ではありません。
しかし見た目は血にそっくりなので、初めて見る際は「血の涙を流してる!?」と驚くと思います。
今回は、ポルフィリンのしくみについてや、どんな原因でファンシーラットはポルフィリンを出すのかについて解説していきます。
ファンシーラットの目の周り・鼻の周りが赤くなる理由を知りたい方は、ぜひご覧ください!
ポルフィリンとは?
ポルフィリンとは、ラットの目の奥に存在する、ハーダー腺という部分から分泌される赤い分泌物です。
ハーダー腺はどの動物にも存在する組織ですが、そこからポルフィリンを分泌するのはラットだけのようです。
ラットのハーダー腺からの分泌物は、ポルフィリン色素という赤い色素を含んでいるため血のように見えますが、血液ではありません。
ポルフィリンには謎が多く、なぜラットがポルフィリン色素の入った赤い涙を流すのかも、今はまだ謎のようです。
ポルフィリンは目の奥から分泌されるので、基本は目の周りに、血の涙のように出ます。
また、目と鼻は内部で繋がっているため、鼻周辺に鼻血のように出る場合もあります。
ポルフィリンと血液は違うが、見分けは難しい
上記の通り、ポルフィリンは血ではありません。
しかし、病気などでポルフィリンではなく、本当に血を出している場合もあります。
素人目にはポルフィリンと血液の区別は付きづらいので、「長期間血のようなものが出続けている」など、飼い主が怪しいなと思った時は病院に連れていきましょう。
ただし、ファンシーラットの診察に慣れていないと「ポルフィリン」を知らない獣医さんもいるようです…。
初めての動物病院にラットを連れて行くときは、獣医さんにラットの診察経験があるかどうかを確認しましょう!
どんな時にポルフィリンが出る?
ポルフィリンが出る際、基本的にはなんらかの原因があります。
飼っているファンシーラットが頻繁にポルフィリンを分泌している方は、以下を参考に理由を探してみてください。
病気の時やストレスを感じている際に出る
ポルフィリンは基本的には、強いストレスを感じた際に分泌されるようです。
- 気に入らないことがある
- 病気や怪我などで痛い箇所がある
ポルフィリンが頻繁に出る場合は、上記2つの原因が考えられます。
ストレスの原因が簡単に予測できる場合は、できるだけストレス元を取り除いてあげるとよいでしょう。
「もっと飼い主と遊びたい!」などの理由でポルフィリンを出す子もいます
また、体に腫瘍などができていないか? 実は指などが折れていることを隠していないか?など、体に異常がないかどうかも確認しましょう。
正常な状態でも出る
代謝などによって、正常な状態のラットであっても、ポルフィリンが出る場合があります。
ごく稀にしかポルフィリンを見ない場合は、そう気にしなくともよいでしょう。
ただし、ポルフィリンは頻繁に出ているのに、飼い主が見るタイミグは毎回毛づくろい後なので、分泌に気づけないという可能性もあります。
本当に稀にしか出ていないのかどうかは、入念に確認しましょう。
頻繁に観察しよう
ラットはセルフグルーミング(毛づくろい)を頻繁にします。
多頭飼いであれば、ほかの子も毛づくろいをしてくれるので、その頻度はなおさら高くなるでしょう。
そのため、毛づくろい好きの子と同居していたり、本人(本ねずみ)が綺麗好きな性格だったりする場合、飼い主がポルフィリンにまったく気づけない可能性もあります。
「実は頻繁にポルフィリンが出ていたけど、ラットを頻繁に確認しないせいで気づかなかった」とならないように、飼っているファンシーラットのことは頻繁に見てあげましょう。
ファンシーラットがポルフィリンを出していたら注意深く見守ろう
今回はファンシーラットの目の周り・鼻の周りに血の涙や鼻血のように出る、ポルフィリンについて解説しました。
ポルフィリンは血ではないですが、分泌の頻度が高い場合は、ストレスを抱えていたり、病気や怪我を隠したりしている可能性があります。
ポルフィリンが出ているのを見かけたら、ファンシーラットの体に異常がないか、注意深く観察しましょう!
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