ファンシーラットは愛らしく賢いペットとして人気がありますが、寿命が短いため健康管理が非常に重要です。
特に腫瘍はファンシーラットに多く見られる病気のひとつであり、飼い主にとって避けられない問題となることがあるでしょう。
本記事では、ファンシーラットの腫瘍について、種類や対応、判断のためのポイントを解説していきます。
ファンシーラットの腫瘍の種類|良性・悪性の違い
腫瘍とは、異常な細胞増殖によって生じるしこりや塊のことです。ファンシーラットでは、特に乳腺腫瘍や皮膚腫瘍が多くみられます。
腫瘍には大きく分けて2種類が存在します。
- 良性腫瘍
- 悪性腫瘍(がん)
良性の腫瘍は成長が遅く、周囲の組織に浸潤せず、転移しないという特徴があります。 手術で摘出すればそれで解決し、完治する可能性が高いでしょう。

なお、オスメスともにお腹まわりにできることのある乳腺腫瘍は、良性の可能性が高いとされています
一方悪性の腫瘍は急速に成長し、周囲の組織を侵食するという特徴があります。 再発や転移の可能性が高く、一度摘出しても再び発生することが多いでしょう。
良性か悪性かを判断するためには外見や触診だけでは難しく、細胞診や組織生検など、腫瘍の細胞、もしくは一部を採取して検査をする必要があります。
ファンシーラットの腫瘍の対応方針
腫瘍が発覚した場合、取れる方針は以下の2つがあります。
- 手術で摘出する
- 手術をしない
手術で摘出する
転移しない良性腫瘍であれば、手術で摘出をすれば解決します。
注意点として、どの箇所であっても手術の際は基本的に全身麻酔をすることになりますが、体の小さいファンシーラットにとっては手術以前に全身麻酔がかなりの体への負担となります。
高齢や持病などがあって体力の落ちたファンシーラットであれば、手術が問題なく終わっても、全身麻酔から目覚めない可能性もあることを覚えておきましょう。
手術をしない
腫瘍を摘出せず、腫瘍があるまま暮らすというのもひとつの方法です。
日本では比較的手術が推奨される傾向がありますが、ファンシーラットがよりメジャーなペットである欧米では、腫瘍の性質やラットの年齢・全身状態・腫瘍の進行速度などを総合的に考慮し、個別に判断されることが多いようです。
特に高齢のラットや状態が思わしくない場合、全身麻酔のリスクや手術後の生活の質を考慮し、手術を行わずに生活の質を維持する選択が検討されることもあります。
判断のためのポイントや考え方
- 摘出が推奨される例
-
- サイズが大きい・顔や口周りなどできているなど、生活に支障が出ている
- 腫瘍から血が常に出ている・すでに破裂している
- 若く体力がある
- 再発リスクが少ない
- 摘出しなくともよい・しない方がよい例
-
- 体の端などにあり、生活に支障がない
- ラット自身が気にしていない
- サイズに変化がなく、ずっと小さい・腫瘍の成長が遅い
- 高齢などで体力がない
- 再発リスクが高い・一度摘出したが、別の箇所に再発した
方針を判断するためには、まず腫瘍のできた位置が重要です。例えば顔や口周りなど、生活に支障をきたす可能性が高い位置であれば、早期摘出が推奨されます。
一方、特に生活に支障が出ない箇所にできてラット自身も気にしていない場合は、全身麻酔をしてまで摘出する必要がない場合が多いでしょう。
一概にどちらの方針が良い悪いとは言えず、治療を優先すべきケースもあれば、無理に手術をせずQOL(生活の質)を重視した方が良いケースもあります。
どちらの選択がより良いかを判断するには、病理検査や獣医師のアドバイスを活用しながら、冷静に検討することが大切です。



日本にはファンシーラットに詳しい獣医師は少ないため、考え方が合わなければ病院を変えることなども検討しましょう
また、一度摘出しても再発した場合は、悪性腫瘍である可能性が高く、その後も転移するリスクがあります。
このようなケースでは、何度も摘出を繰り返すよりも、快適な生活を優先する方が適切とされることが多いでしょう。
「悪性の可能性が高いけど、摘出を選択する」場合は、費用はかかるものの、病理検査に出すこともおすすめです。病理検査をすることで、悪性か良性かの判断・腫瘍がどれほど成長していたか・今後の再発リスクなどがわかります。
なお病理検査の費用は病院によって異なりますが、一般的には1万5000円~2万5000円程度とされています。
ファンシーラットの腫瘍の予防法|食事やストレス管理でリスク軽減


完全に腫瘍を防ぐことは難しいですが、以下の方法でリスクを減らすことが可能です。
- 健康的な食事を意識
- ストレスを減らす
- 定期的な健康チェック
早期発見できるに越したことはないため、定期的に全身を触ったりして、腫瘍が発生していないか確認しましょう。
また、ヴィーガンフードが腫瘍減に効果があるという研究結果もあるため、フードのひとつの選択肢として、セレクティブなどを導入するのもおすすめです。




ファンシーラットのQOLを考えた腫瘍の対応をしよう
ファンシーラットにおける腫瘍は避けられない問題です。
以前は「早期発見・早期摘出」を謳う病院が多かったですが、最近では「ただ早く取ればよい」という考えは減少しており、ファンシーラットのQOLを重視しながら総合的に判断することが推奨されています。
獣医師と相談しながら、納得できる結論を出し、より良いねずみぐらしを送りましょう!
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